「ペアレント・サポートすてっぷ」とは
私たちは障がい児の保護者が同じ立場の保護者を支援する、ピアサポートの団体です。中心メンバー7人は全員、障がい者の保護者です。自分たちが子育て中にしんどい思いをしてきた。そして今、若い保護者の方たちも同じ思いをしている。先を歩く人間として、ちょっとでもその苦労を分け持ってあげたい。問題を解決してあげることまではできなくても、一緒に考え悩みながら、苦しい時期を伴走させてもらいたい…そんな思いで日々の活動をしています。
なぜ、障害児の親に支援が必要なのか
今、障害のある子どもためのサービスは様々なものがあります。しかし、その親を対象としたサービスというものは実質ほとんど、ありません。大抵は、子どもの支援の「ついで」として扱われるのが「保護者支援」です。
しかし私たちは、自分たちの経験上、障害児の子育てには、支援が必要だと考えています。きめこまやかで温かな、支援が。
子どもの障害と言っても、様々なものがあります。身体障害、知的障害、発達障害、病弱など…。そういう子どもを育てる上での困難の内容も、それぞれに違います。しかし共通して言える困難が3つ、あると思います。
1つは、「ちょっとしたことが大きなハードルになる」普通ならばハードルにすらならないものが、障害児の子育てにはハードルとしていくつも立ちはだかります。
2つめは、「何に困っているか、何が大変かを、なかなか周囲にわかってもらえない」。どうしても特殊な子育てになってしまうため、その経験がない人にはなかなか共感してもらえません。
そして3つめに「障害のある子の親になったことについての葛藤(受容の難しさ)」も、あります。子どもの障害を受け入れるというのは、実はそんなに簡単なことではありません。心底、子どもの存在を丸ごと受け入れられるようになるには、長い年数を必要とするのですが、そのこと自体も、ほとんど知られていません。
これらの困難を乗り越えていくためには、早い段階で打ち解けた相談ができる環境を作る必要がありますが、今、お母さんたちのお話をちゃんと聞く場が、圧倒的に不足しています。
「だれかに話す」…否定されることなく安心・安全な場でお話をしっかりすること。想いを口に出すことは感情の消化と問題の整理になります。理解をもって話を聞いてもらえる場と、否定することなく共に考える伴走者が、この難しい子育てには必要なのです。
子どもは1人で生きているわけではありません。24時間365日そばにいるお母さん・お父さんたちが支えの手に繋がり、安心し、笑顔になれれば、子どもたちも笑顔になれます。そしてその笑顔の先にこそ、子どもたちが障害を持ちながらも健やかに成長し、素敵な大人になって社会の中でいきいきと生活する、そんな未来が待っているのです。
障害児のお母さんたちが支えを感じながら安心して子育てでき、いずれ安心して子育てを卒業していけるように



このページを読んでくださり、ありがとうございます。NPO法人ペアレント・サポートすてっぷ理事長の安藤希代子です。

私は、25歳の時に産んだ娘が自閉症でした。私はまだ若く人として未熟なまま親になってしまいましたが、娘の子育てを通して、次第に「親」にしてもらえたと思っています。その娘も今は30歳になり、障がい者雇用で就職してもう7年、お仕事を続けています。
私自身の子育ては、多くの方に支えていただいたおかげで、ほぼ終えたと言える状況となりました。しかし私は自分の子育てのことを忘れてはいません。
子育て期真っ最中に、周囲からよく聞こえてくる言葉がありました。「私は周囲の人に恵まれた。運が良かった」「今年の担任の先生はハズレだね」「あなたはいいですね。私の周囲には、理解して支えてくれる人なんていなかった」「どうしていいのか、誰も教えてくれない」
これらの言葉は、難しい子育てに振り回されている間も、私の中にもやもやと降り積もっていきました。
ハンディキャップを持って生まれてきた子を育てている私たち。普通よりも大変な子育てをしているのに、更にその上に、ケアを受けられるか受けられないかが「運・不運」で左右されている??必要な情報や支援がどんどん得られる人と、まったく得られずに困っている人がいるなんて、これはいったい、どういうことなのか。こんな状況で、親たちに「がんばれ、がんばれ」というのは、あまりに酷じゃないのか…。
自分自身の子育ての中でも様々な無理解や理不尽を感じる場面が何度となくあり、そのたびに疑問はふつふつと大きくなっていったのです。
こんなおかしな状況を少しでも、なんとかしたい。どの人も「支えの手」と繋がれるようにしたい。私たちがしたのと同じ苦労を、若い世代にはさせたくない…。そんな思いを胸に、子育てが一段落したところで同じ思いの仲間とともに始めたのが、私たちの法人です。
皆様の温かなご支援により、今より一人でも多くのお母さん・お父さんたちと繋がりたいと思います。どうぞ応援をよろしくお願いいたします。
NPO法人ペアレント・サポートすてっぷ 安藤希代子
ご支援の使い道



【わたしたちの支援のかたち】
私たちは現在、保護者支援活動を14年間してきています。その中でたどり着いた結論。それは、障がい児・者の親の幸せは、結局、子どもの幸せを抜きには考えられない、ということです。子どもがどうやら幸せに生きて行けそうだ…そう思えなければ心底、親たちが幸せになることはできない。その安心が得られて初めて、親たちは自分の人生を新たに歩むことができる。
だから私たちは、保護者への支援を主軸に置きながら一方で、障がいのある本人たちの社会参加の応援、余暇の支援や、障がい者に理解ある地域づくりにも取り組むようになりました。
私たちの主な活動
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障がいのある子ども・人の保護者への相談支援
日常の困りごと、将来への不安、進路や生活の悩みなどを、経験のある相談員が丁寧に聴き、継続的に伴走しています。 -
保護者の居場所づくり(うさぎカフェの運営)
否定されずに安心して話せる場として、定期的に保護者の居場所を開き、孤立を防ぎ、心を休める時間を提供しています。 -
保護者支援に関する講座・研修・情報発信
保護者支援に関わる専門職や保護者向けに、講座や研修を実施し、実践に役立つ知識や視点を届けています。 -
「くらしき支援LABO」を通じた地域のつながりづくり
障がいのある人とない人、支援者や地域の人が同じ場で出会い、楽しみ、学ぶ機会をつくり、福祉が特別なものにならない地域づくりを進めています。 -
将来を見据えた記録・準備の支援
相談支援ファイル等を活用し、本人と保護者が将来を整理・共有できる仕組みづくりを行い、不安の軽減と安心につなげています。
【皆様からのご支援の使い道】
皆さまからのご寄付は、私たちの活動を支える必要経費として、大切に使わせていただいています。
・保護者や家族の相談に丁寧に向き合うための人件費
・保護者の居場所「うさぎカフェ」の運営(人件費・材料費など)
・保護者支援の講座や研修、情報発信の実施
・くらしき支援LABOの地域活動・イベント運営
・将来に備える相談支援ファイル等の作成・活用支援
私たちの活動はすべて「人」が関わることで成り立っています。
ご寄付は、支援を続けていく力になります。
いただいた寄付金は必ず、障害児の保護者の支援のために有効に使わせていただくことをお約束いたします。どうぞ温かなご支援をよろしくお願いいたします。



